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山口 義仁; 高見澤 悠; 勝山 仁哉; Li, Y.
Proceedings of ASME 2023 Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2023) (Internet), 9 Pages, 2023/07
原子炉圧力容器のノズル部の健全性評価において、ノズルコーナー亀裂に対する応力拡大係数が重要なパラメータである。これまで、ノズルコーナーの表面亀裂に対する様々な応力拡大係数解が提案されてきたが、その多くは亀裂の最深点にのみ着目しており、ノズルコーナーの形状寸法に関する情報は明らかになっていない。ノズルコーナー亀裂を対象とした既往の疲労試験結果によると、亀裂表面点における進展量は、最深点よりも大きいことが明らかとなっている。このことから、亀裂表面点の応力拡大係数は最深点よりも高い可能性がある。これらより、本研究では、健全性評価の信頼性を高めるため、有限要素解析を通じて、ノズルコーナーの形状寸法とき裂サイズに対応した、表面点と最深点の両方の応力拡大係数解を提案する。
長谷川 邦夫; Li, Y.; 勝又 源七郎*; Dulieu, P.*; Lacroix, V.*
Proceedings of 2017 ASME Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2017) (CD-ROM), 6 Pages, 2017/07
検出された内部欠陥が、機器の表面近傍にあるとき、応力拡大係数が大きくなる。このリガメントからの破壊を防ぐために維持規格では内部欠陥の接近性のルールがある。このルールによれば、内部欠陥を、内部欠陥のままにして破壊評価を扱うか、表面欠陥に置き換えて破壊評価を行う。表面欠陥に置き換えた場合、亀裂先端の応力拡大係数は増大する。この接近性のルールの考え方は世界各国の維持規格で同じであるが、具体的なクライテリアは異なる。そこで、世界各国の接近性クライテリアの紹介をするとともに、ASME規格で用いられるクライテリアをベースにして応力拡大係数を比較する。
長谷川 邦夫; Dulieu, P.*; Lacroix, V.*
Proceedings of 2017 ASME Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2017) (CD-ROM), 5 Pages, 2017/07
切欠底にある内部欠陥は、応力集中のため応力拡大係数の干渉効果が大きい。このため、内部欠陥は、切欠底から離れた位置で表面欠陥に置き換える必要がある。本論文は、応力集中場の応力拡大係数の干渉を示し、この干渉効果を基に切欠底に円欠陥があるときの接近性基準を提案するものである。
Lu, K.; 勝山 仁哉; Li, Y.
日本機械学会M&M2016材料力学カンファレンス講演論文集(インターネット), p.499 - 501, 2016/10
高経年化した原子炉圧力容器(RPV)の健全性評価では、加圧熱衝撃事象やRPV内表面近くに亀裂を想定し、それにより求められる応力拡大係数(K値)を用いた評価が行われている。クラッド下亀裂を想定する場合、RPVの内表面には肉盛溶接された相対的に降伏応力が低いステンレス鋼のクラッドがあるため、このクラッドの塑性の影響を考慮してK値を適切に算出する必要がある。われわれはこれまでに、国内3ループPWR型軽水炉のRPVにおけるクラッド下亀裂に対する三次元有限要素解析を行い、より合理的なK値を求めることができる塑性補正法を提案した。本報告では、これまでに提案したK値の塑性補正法について、中性子照射による影響を考慮した場合及び、2ループと4ループのようにPWR型軽水炉のRPVの形状が異なる場合の適用性について検討した結果をまとめる。
永井 政貴*; Lu, K.; 釜谷 昌幸*
日本機械学会M&M2016材料力学カンファレンス講演論文集(インターネット), p.481 - 483, 2016/10
近年、原子力発電プラントのニッケル合金溶接部において、アスペクト比=0.5 (:亀裂深さ、:亀裂長さ)を超える半円より奥に深い応力腐食割れ(SCC)亀裂が検出される事例が報告されている。このような亀裂を有する構造物の健全性を合理的に評価するため、半円より奥に深い亀裂の応力拡大係数解が複数提案されている。本発表では、半円より奥に深い亀裂の応力拡大係数解について、解の相互比較およびSCCによる亀裂進展のベンチマーク解析を行い、異なる解による解析結果を報告する。
Lu, K.; 勝山 仁哉; Li, Y.; 岩松 史則*
Proceedings of 2016 ASME Pressure Vessels and Piping Conference (PVP 2016) (Internet), 7 Pages, 2016/07
圧力容器の板厚内部に存在する楕円亀裂の応力拡大係数の解は日本機械学会維持規格に記載されている。しかし、圧力容器内表面近傍の楕円亀裂については、その応力拡大係数の解はまだ提案されていない。本論文では、この内表面近傍の楕円亀裂を対象として、その応力拡大係数の解を提案した。提案解は、亀裂のアスペクト比については0から0.5、欠陥深さ比については0から0.8、板厚方向亀裂位置については0.01と0.1を考慮するとともに、応力分布については板厚方向の4次多項式を考慮できる。本提案解は、維持規格に提案できる成果であるとともに、確率論的破壊力学解析コードの精度向上を実現できるものである。
長谷川 邦夫*; Li, Y.; 芹澤 良輔*; 菊池 正紀*; Lacroix, V.*
Procedia Materials Science, 12, p.36 - 41, 2016/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Engineering, Mechanical)供用期間中検査などで確認された内部欠陥は構造物の自由表面に接近する場合は、この欠陥を内部欠陥それとも表面欠陥としてモデル化すべきかを決定するために、欠陥の表面接近ルールが適用される。しかし、主要国間の維持規格の内部欠陥から表面欠陥に置き換えに係る接近特性因子が異なる。本論文では内部欠陥が自由表面に接近する場合の応力拡大係数の干渉効果に関する考察から、内部欠陥から表面欠陥への置き換えに係る接近特性因子を明らかにした。
鬼沢 邦雄; 堤 英明*; 鈴木 雅秀; 柴田 勝之; 上野 文義; 加治 芳行; 塚田 隆; 中島 甫*
JAERI-Tech 2003-073, 125 Pages, 2003/08
沸騰水型原子力発電所炉心シュラウドのひび割れに関し、原子力安全委員会による事業者による健全性評価報告書の妥当性確認に資するため、SCC進展評価線図の妥当性,き裂進展量の評価、及び健全性評価に関する調査を実施した。調査は、東京電力(株)柏崎刈羽原子力発電所3号機のシュラウド下部リング部及びサポートリング部、並びに福島第一原子力発電所4号機のシュラウド中間胴部の溶接部近傍に確認された応力腐食割れを対象とした。SCC進展評価線図に関しては、リング部の材料・環境条件に対するSCC進展評価線図のデータを分析し、日本機械学会維持規格の線図の保守性を確認した。き裂進展量の評価に関しては、き裂形状のモデル化を行い、最適な応力拡大係数算出式を採用してき裂進展解析を行った結果、リング部及び中間胴部ともに、事業者の評価結果が保守的であることを確認した。シュラウドにき裂が存在する場合について、剛性の低下に関する構造解析を実施した結果、剛性低下はわずかであり、地震荷重に対するき裂の影響は小さいことを確認した。シュラウドの健全性に関して、運転時及び地震時の荷重条件から必要残存面積及び許容き裂長さを算定し、き裂進展解析結果と比較を行った。この結果、リング部及び中間胴部ともに、実運転4年間後も健全性は確保されることを確認した。
西 宏; 衛藤 基邦; 橘 勝美; 中平 昌隆
Transactions of 16th International Conference on Structural Mechanics in Reactor Technology (SMiRT-16) (CD-ROM), 8 Pages, 2001/08
ITERの真空容器は2重壁構造を採用し、不溶着部を有する構造となる。本研究では、ITERに採用予定の部分溶込みを有するT継手(外壁とリブ)と突き合わせ継手(外壁と外壁)について、継手や溶着金属の疲労試験を行い、疲労寿命や疲労き裂伝播速度を明らかにした。また有限要素解析を用いて両継手不溶着部の応力拡大係数範囲を計算し、継手と溶着金属の疲労き裂伝播速度を比較した。さらに破壊力学的手法を用いて継手の疲労寿命を計算し、不溶着部の長さが変化したときの疲労強度を予測した。その結果、以下のことがわかった。いずれの継手の不溶着部も先端が鋭くき裂と同様に挙動し、溶着金属部へ伝播する。したがって継手の疲労強度は不溶着部を持たない母材に比べ非常に低下する。また、継手と溶着金属の疲労き裂伝播速度は応力拡大係数範囲で整理でき両者は良く一致し、破壊力学的手法に基づい手計算した継手の疲労寿命は実験より得られた疲労寿命と良く一致する。さらに継手の不溶着部の長さが短く(1mm)なっても疲労強度は母材に比べ大きく低下する。
秦野 歳久; 後藤 正宏*; 山田 哲二*; 野村 雄一郎*; 斉藤 正克*
Fusion Engineering and Design, 49-50, p.207 - 212, 2000/11
被引用回数:3 パーセンタイル:26.42(Nuclear Science & Technology)核融合実験炉においてプラズマ対向機器の一つであるブランケットの使用材料はヒートシンクにアルミナ分散強化銅、構造材にステンレス鋼を冶金的に接合することが提案されている。その接合部は多くの研究から機械的な強度が低下することがわかっているが、解析的に接合部に集中する応力を解くことは非常に困難である。本研究は異材料接合体の破壊挙動評価としてASTMの規格をもとにき裂進展試験を実施した。試験片は接合部にき裂を入れたものと接合部に垂直にき裂を入れたものを用意し、破壊力学からモードIによる挙動を評価した。試験結果より、接合部のき裂は各母材よりも速く進展し、接合部に対して垂直なき裂は接合部に到達したときの応力拡大係数により異なる挙動を示した。
本岡 隆文; 木内 清
JAERI-Research 96-021, 14 Pages, 1996/03
ジルコニウム製の再処理機器の長期耐久性の評価試験として、沸騰硝酸中におけるジルコニウム溶接継手の腐食疲労挙動を調べた。き裂成長速度の応力拡大係数依存性を沸騰硝酸中に常温大気中で調べたほか、走査型電子顕微鏡による破面解析も行った。さらに既知の母材の腐食疲労挙動との比較をした。溶接金属でのき裂成長速度は母材の配向性と関係がなかった。常温大気中に比べて沸騰硝酸中ではき裂成長速度が一桁程度増加した。大気中ではき裂面に針状組織上にストライエーションが認められたが、硝酸中では脆性ストライエーションと擬劈開状の破面があわせて観察された。沸騰硝酸中では疲労き裂が母材よりも溶接金属の方でより早く進展することが明らかとなった。
本岡 隆文; 木内 清
JAERI-Research 95-032, 21 Pages, 1995/03
ジルコニウム製再処理機器部材の長期耐久性を評価するため、純ジルコニウム材の腐食疲労挙動を調べた。沸騰硝酸環境で腐食疲労試験が行える装置を用いて、TDCB型試験片の沸騰硝酸中での亀裂成長速度の応力拡大係数依存性の測定と沸騰純水及び常温大気中のそれと比較した他、走査型電子顕微鏡を用いた破面解析により破壊モードを解析した。亀裂成長速度は試験片の切出し方向と環境の影響を受け、常温大気中では長手方向材は横方向材より数倍高い速度を示すが、硝酸中でいずれの方向の亀裂成長速度も加速され同様な高い値を示した。破面解析及びX線回折強度の測定などから、ジルコニウムの結晶学的方位に依存した破壊靱性の違いと当該材が硝酸中において高い応力腐食割れ感受性を持つことが、ジルコニウムの腐食疲労特性に大きく関与していると解釈された。
古橋 一郎*; 若井 隆純
PNC TN9410 95-080, 84 Pages, 1995/02
FBR構造物の破壊力学解析手法整備の一環として、破壊力学パラメータ解析コードCANIS-J(2D)の改良を行つた。(1)2時点間の応力範囲を用いた、12時点問の応力拡大係数範囲Kの計算評価機能の追加(2)2時点間の応力範囲、ひずみ範囲および変位範囲uを用いた、2時点間のJ積分およびJhat積分の計算評価機能の追加。(3)J(J)およびJhat(Jhat)計算式の積分各項毎の計算評価機能の追加。(4)以下の3つの計算モードを1ジョプで計算実行する機能の追加。・モード0任意時点のK、J、Jhat計算・モード1任意の2時点間のK、J、Jhat計算・モード2任意の連続2時点間のクリープJ積分(J、Jhat)計算特に今回機能追加されたK、J、Jhat計算機能を確認しその適用例を示すために、ATTF環状き裂付き試験体の熱疲労き裂進展試験の破壊力学解析およびき裂進展シミュレーションを行い、以下の結果を得た。(1)熱弾性および熱弾塑性応力場では、J(J)は経路独立性が成立せず、解析評価が困難であり、適用できない。これはJ積分が、弾性応力場で定装されたことによる。(2)Jhat(Jhat)は熱弾性および熱弾塑性応力場でも経路独立性が成立し、解析評価が可能であり、適用可能性が大きい。これはJhat積分が、より一般的な応力場で定義されたことによる。(3)Jhat、熱弾性K、き裂先端近傍の応力(ひずみ)範囲、き裂断面リガメントの正味(曲げ)応力範囲Sn、これらは共通の2時点問でほぼ最大値をとる。(4)Jhatを用いたき裂進展シミェレーションは試験結果に良く対応している。(5)これらの解析結果から、複雑な熱弾塑性荷重サイクルを受けるき裂付き構造物の破壊力学解析および評価において、Jhat(Jhat)が、き裂先端領域の応力(範囲)、ひずみ(範囲)、リガメントの正味断面応力(範囲)およびき裂進展カなどの力学情報を代表する単一の破壊カ学パラメータとして有力であることが示された。
荒井 長利
日本機械学会第8回計算力学講演会講演論文集, 0, p.65 - 66, 1995/00
エンジニアリングセラミックス系材料は一般に多孔質の多結晶体である。このマイクロないしメソスケールの気孔の存在が材料の熱的、機械的性質に重大な影響を及ぼす。本研究では、黒鉛材の疲労現象において、単純引張り負荷に比較して、引張り/圧縮の両振り負荷で疲労寿命が短縮する挙動を採り上げた。その原因を、潜在き裂に圧縮応力が作用する時のマイクロメカニクス計算により考察した。Horiiらの基本理論に準拠し、原子炉用黒鉛PGXの強度、破壊力学的性質を適用した。計算では、圧縮応力下において潜在微視き裂から発生する2次き裂(モードI型の引張りき裂)の発生とその先端応力拡大係数を評価した。この結果、マイクロクラックに特有の破壊力学特性から、実験での圧縮応力レベルでも、き裂の成長が起こりうること、そして、これらの無数の2次き裂の存在が、両振り応力サイクル下での主き裂の伝播を加速することになる、と考えられる。
荒井 長利
Proc. of 12th Japan-Korea Seminar on Ceramics, 0, p.301 - 305, 1995/00
セラミックスの熱機械的特性、特に強度が気孔(潜在的な欠陥又は初期き裂と見なせる)と密接に関連するので、強度によって潜在欠陥を定量評価し材質を判定することができる。この観点から、本研究では、低サイクル強度データから疲労き裂進展解析によって初期欠陥サイズ(EIFS)を評価する方法の基本的解析手法の総合検討(き裂形状、き裂進展則及び破断条件)を行った。具体的には、PGX黒鉛の疲労データによって、EIFSの寸法範囲と統計的分布を評価した。今回の解析による知見は以下の通りである。a.実効的表面き裂としては、形状係数の変化を考慮する半楕円形又は半円モデルが適当である。b.計算モデル定数の値は、通常の破壊力学試験によって得られる値を用いるべきでない。c.計算値は数mmになる。これは実効的表面き裂が幾つもの気孔の連結体に相当することを意味する。
辻 宏和; 横山 憲夫*; 中島 甫; 近藤 達男
JAERI-M 93-078, 42 Pages, 1993/05
材料応用工学研究室で整備を進めている原子力材料総合データベース(JAERI Material Performance Database;JMPD)に格納されている原子炉圧力容器鋼の疲労き裂成長速度データの統計解析を行い、K(応力拡大係数範囲)増加型の疲労き裂成長試験で得た速度データとK一定型の疲労き裂成長試験で得た速度データのばらつき、再現性を比較した。その結果、データのばらつき、再現性といった観点からは、K一定型の疲労き裂成長試験の方が好ましいこと、またその傾向は、大気中のデータよりも軽水炉一次冷却水近似環境中のデータにおいて、より顕著であることが分かった。
實川 資朗; 海野 明; 高橋 五志生; 飯田 省三; 足立 守; 鈴木 建次*; 菱沼 章道
Effects of Radiation on Materials, p.1083 - 1094, 1992/00
照射した冷間加工材の316ステンレス鋼について、疲労亀裂の成長速度に対する保持時間及び荷重の周波数の効果を評価した。照射は高速炉にて400Cで20dpaまで行った。その結果、高温域での保持時間効果は、保持時間の0.7乗に比例し、またヘリウム量に比例することがわかった。この結果、1023Kで50秒の保持時間を与えると、照射量が20dpaの材料では亀裂成長速度が40倍近くに増加するのである。一方、荷重の周波数効果は低温度域で大きく、これは低周波数域では照射材に特徴的なチャンネル破壊現象が生じたためである。チャンネル破壊は、疲労亀裂の発生を助けるため変化が生じたのである。
辻 宏和; 中島 甫; 近藤 達男
Journal of Nuclear Materials, 189, p.65 - 71, 1992/00
被引用回数:4 パーセンタイル:41.92(Materials Science, Multidisciplinary)原子炉圧力容器用鋼材SA533B-1を供試材料として、コンパクト・テンション型試験片を用いたK(応力拡大係数範囲)増加型及びカンチレバー・ビーム型試験片を用いたK一定型の疲労き裂成長試験を室温大気中で行い、両者のデータのばらつきの程度を統計的に評価するとともに、ばらつきの要因について考察した。その結果、標準化されたコンパクト・テンション型試験片を用いたK増加型の疲労き裂成長試験は簡便に行えるが、K一定型の試験に比べて本質的に測定値のばらつきが大きく、データのばらつき/再現性といった観点からは、K一定型の試験法が好ましいという結論を得た。
石山 新太郎; 奥 達雄
日本原子力学会誌, 30(2), p.181 - 192, 1988/02
被引用回数:2 パーセンタイル:31.38(Nuclear Science & Technology)微粒等方性黒鉛IG-11の低サイクル疲労試験を応力比R(=最小付加応力/最大付加応力)=0.5,0.0、-1.0、-3.5、+、1/0.3、1/0.7の付加応力モードで行い(1)各種統計解析法による最適S-N曲線の比較(2)疲労強度の及ぼす応力比効果(3)体積効果に関して検討を行った。その結果、次の結論を得た。1.Price法は比較的適合性の良い最適S-N曲線が得られる。2.応力比が低下するに従って疲労強度の低下が見られた。また、R=-3.5では急激な疲労強度の低下が見られた。3.応力比=+では試験片体積依存性が見られた。4.黒鉛の疲労破壊は疲労き裂の進展によるき裂先端の応力または応力拡大係数が破壊応力又は破壊靱性値に達したときに生じるものと解釈できる。
石山 新太郎; 衛藤 基邦; 奥 達雄
Journal of Nuclear Science and Technology, 24(9), p.719 - 723, 1987/09
被引用回数:6 パーセンタイル:55.66(Nuclear Science & Technology)微粒等方性黒鉛IG-11のき裂進展速度da/dNに及ぼす荷重負荷モードの効果(応力比効果)を調べた。試験片の形状をダブルカニチレバービーム(DCB)型とし、繰り返し荷重は251N/secの荷重速度で荷重容量1500Nのサーボ式疲労試験機を用いて負荷した。荷重負荷モードは応力拡大係数範囲の最小値Kminと最大値Kmaxの比R(=Kmin/Kmax)を0から0.8の範囲の5段階で変化させた。実験結果から、き裂進展速度と応力拡大係数範囲の間に次式が得られた。da/dN=C(?K-?Kth) ここでC,nは定数、応力拡大係数範囲?K=Kmax-Kminで、?Kthはしきい値である。?KthはR値に依存し、R=0の応力拡大係数範囲を?Kthoとすると?Kth/?Ktho=(1-R) となる。ここでAは定数でIG-11黒鉛では0.89となった。